パキポディウムグラキリスの発根管理

植物のお話。

今回はパキポディウムグラキリスの発根管理について書いていきたいと思います。

パキポディウムグラキリスって?

何かの呪文のように聞こえますが、れっきとしたマダガスカルを原産とする塊根植物です。

丸くてとっても可愛らしい。

パキポディウム・グラキリス(Pachypodium gracilius/象牙宮)

と呼ばれています。特徴は何と言ってもまん丸に肥大したボディ。そこから出たかわいらしい細い枝。人気が出る理由がわかりますね。そして可愛く咲く黄色い花。

そう!結局おじさんはモデルみたいな女性よりポッチャリしてかわいらしい女性の方がが好きってこと。

昔はスタイルいい女性も追いかけてたんだけど。…今はそうでもない。

ポッチャリの良さに

気がついたから。

違うか!

話を戻します。パキポディウムグラキリスはパキポディウム属の植物の中でも最も人気のある植物の一つです。

どうやって入手する?

近年は園芸店でも見かけることがありますが、ナーセリーや、オークション、趣味家さんから譲ってもらうといった方法で入手されている方がほとんどかと思います。

パキポディウムグラキリスには実生と呼ばれる国内で生まれたものと、現地球と呼ばれる自生地から輸入されてきたものとがあります。

実生の物は国内で育てられたため、日本の気候に慣れており、初心者でも育てやすいかと思います。お値段も手頃です。

現地から輸入された物は、実生の物と違い、何年もかかって育った株姿が、独特の雰囲気があります。実生の物でも、名人と呼ばれる人たちが試行錯誤し、現地のような姿の実生を作り出していますが、その姿になるには何年、何十年とかかります。

現地球はお値段も数万円〜とお高いです。

未発根株って何?

パキポディウムだけでなく、輸入される植物のほとんどは、植物検疫を通すために根っこを切り、土を落とした状態で輸入されます。

根っこのない状態を未発根株(抜き苗)や、ベアルート(山採りの)と呼びます。

日本に輸入されたパキポディウムたちは、まず根っこを出す作業(発根管理)が必要になります。

ここが少し厄介でもあり、醍醐味でもあると思っています。

発根管理方法

やっと本題に入ります。

ここからは僕が行なっている発根管理方法を紹介します。まず今回発根処理を行うグラキリス。

丸くて株にハリがあります。
が、根は枯れています

①枯れた根をカット

枯れている根っこは、殺菌した刃物でカットします。そのまま植えることも出来ることは出来ますが、枯れた根っこは再生するわけではないですし、根っこが生えた際に植えたい鉢に植えられるように、短く切ります。

腐りがないか確認。

②乾燥させる

黒く変色した所や、異臭のするところはないか確認し、半日程乾燥させます。

③オキシベロンへ漬け込み

乾燥後、発根剤であるオキシベロンを200倍に薄めた溶液に12時間〜24時間漬け込みます。漬け込むのは根の辺りだけで、全体を沈めないようにします。

こんな感じ。

④乾燥後ルートンを塗布する

こちらがルートン

オキシベロン漬け込みが終了したら、再度乾燥後ルートンを塗ります。ルートンは発根を促進させるホルモン剤です。水で溶いてペースト状にして塗るのも良し、普通にとってまぶすも良し。分厚く塗ると発根の邪魔になることもあるので、薄く塗るのがポイントです。

ルートン、オキシベロンに関しては後日詳しく書きたいと思います。

塗ってる?塗ってます。

⑤鉢にIN!!

ここまで来たらあと少しです。予め用意しておいた鉢に植えつけていきます。

ですがここでも少し注意が必要です。用土に関しては、水捌けの良い、有機物の入っていない土を使用しましょう。肥料等が混ざっていると、カビの原因になりやすいです。川砂や、硬質赤玉土等がオススメです。土が乾かないと根腐れの原因になりますので、土の量も必要最小限が好ましいです。

今回はエクサゴノさんから出ている無肥料の土を使用しています。これなら根が出た時、土の配合変えずに肥料を足すだけで済みます。

この土に関してもいつかレビューしてみたいと思います。

鉢も黒いプラ鉢がオススメです。発根に関しては鉢内温度が高い方がいいので、熱を吸収しやすい黒いプラ鉢がベストだと思います。

鉢に植えつけたら、株が動かないように紐で固定しましょう。発根管理中の株はデリケートです。また、細根が出た時に動かしてしまうとせっかくでた根が切れてしまうことも考えられます。今回はビニール紐で固定してしまいましたが、麻紐等がオススメです。

以前ビニールの紐で固定していたら、水遣りした際にビニールに水がつき、たまたま外に出していたのでそこから太陽の光がレンズ効果となり株焼けを起こしダメにした株がありました。

紐を固定のテープ類も黒だと尚良いです。

こんな感じで。

植えつけ後の管理

植えつけ後の管理については、朝夕土が湿るくらいの霧吹きを行っています。

2.3日に1度は鉢底から水が抜けるくらいの水をザバーっと何度かかけてあげましょう。

カビ菌や不純物を洗い流すのが目的です。

気温の高い夏場なら割とすんなり発根してくれるはずですが、気温が低いとなかなかうまくいきませんので、爬虫類用のシートヒーター等で鉢内温度を上げます。湿度が高すぎても根腐れの原因になります。サーキュレーターを使い風通しを確保し、とにかく腐らせないように管理することがポイントです。

冬場は温室管理が必須です。オススメのヒーター、温室等のブログも書いていますので参考になれば嬉しく思います。

このようにパキポディウムの発根管理について説明して来ましたが、実際に発根させる為のアプローチはいくつかあります。付き合っていくうちに、自分に合うやり方、植物に合うやり方がわかってくると、とても楽しく感じますし、なにより手塩にかけて発根を確認できた時はより一層愛着が湧くと思います。水耕栽培での発根管理や、腰水で管理される人、様々ですが、せっかく日本に来てくれた植物ですから、焦らずじっくりと向き合っていきたいですね。

発根管理がうまくいったら、ぜひこちらのブログも訪れてみてください。

グラキリスのことだけでなく、園芸や植物育成に関するヒントがたくさん見つかると思います!

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